完璧な愛情が欲しい
こんばんは。
今日も本を一冊、といってもわりと薄めな小説を読了。
こちらの一冊。
島本理生
匿名者のためのスピカ (祥伝社文庫)
twitterではこんなふうに書きました。
島本理生『匿名者のためのスピカ』読了。これは帯買い。「私が欲しかったのは完璧な愛情でした」なんて言われてしまったら買うしかない。エンタメ感の溢れる良作。純愛かと思えばミステリ、ミステリかと思えば純愛。純愛とライトなミステリが好きな人にオススメ。#ちとはか書評
— 葉加瀬ちとせ (@chitohaka) 2018年12月30日
このまんまなんですけどね。
後々調べたらミステリじゃなくてサスペンスっていうんですね、こういうの。
この本とわたしの出会いは都内某所の紀伊国屋書店。
割と小さめな店舗の隅っこに平積みされていました。平積みといっても積まれてはいませんでした。一冊しかなかったんです、在庫は知りませんけど。
この魅力的な表紙と帯とタイトルを見て、ジャケ買いの女葉加瀬は我慢できず、現金をほとんど所持していなかったためなけなしの図書カードで購入。
と、なぜだか出会いを鮮明に覚えている一冊。
ざっくり、ネタバレに気を付けてこのお話を説明すると、
かわいい彼女が被監禁経験のある女の子だったっていうお話。
そして、さらわれちゃうんですよね、その子。それを追いかける主人公たちっていう感じの純愛アンドサスペンスって感じのお話。
ストーリーのテンポもよく、ああわたしエンタメ読んでるなあ……っていう感じもしてきたのですが、解説をちらりと読んだところ、純文学出身の島本理生さんがエンタメを書こうとして生まれた作品だそうで。
納得。
という感じ。
序盤は平和なラブストーリーな風が吹いていて、その時はへえなるほどふむふむって感じで読んでいたのですが、途中からスピード感が増してサスペンスチックになってくる。
今読んでる本、やっぱりわたしらしく表紙買いタイトル買い(それしか見てない)なんだけど、ミステリらしくてびっくりしてる
— 葉加瀬ちとせ (@chitohaka) 2018年12月30日
そのときのわたしの感想。
ミステリじゃなくてサスペンスらしいです(2度目)
リアルにこうなります。いい意味でびっくりしましたね、文庫の裏の説明すらろくに読んでいなかったもので笑
わたしのこのブログに書かれていることはたぶん、文庫の裏の説明の範疇ですのでご安心を。
一時期ミステリ沼の人だった人間からすると、サスペンスとしては弱い気もしなくもないのですが、それらしい雰囲気を楽しみたいというのであれば全力で推したい。
恋人に薦めるかは、検討中。
どうもヒロインの内心がわたしに被るようで、恋人には見られたくない。
帯に書いてあったので書いちゃいますね、「私が欲しかったのは完璧な愛情でした」という一文があるのです。
恋人がわたしにくれたのが「完璧な愛情」に思えて仕方なくて、一種の苦しさが残ったのです。わたしと恋人はズブズブの関係なので、監禁にいたってしまうような恋愛を他人事のように思えない。他人事なんですけど。そもそもフィクションなんですけど。
他人事に思えなかったからこそ個人的に重みを感じてしまった、純愛サスペンスエンタメ小説、比較的軽いものが読みたいときに推したいです!