ちとはかブログ

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十人十色の物語

こんばんは。

いろいろと忙しく、久しぶりの読了ブログとなりました。
本日の一冊は、三浦しをん『木暮荘物語』。


木暮荘物語【電子書籍】[ 三浦しをん ]


木暮荘物語 (祥伝社文庫)

こちらはわたしが恋人から拝借して(しばらく積んで)いた文庫本です。三浦しをんという作家さんは話題になった『舟を編む』を数年前に読んだっきり、嫌いでもないが好きでもないという印象で、綿矢りさ熱のさなかにあったわたしはしばらく放置していたのです。


恋人の一番好きな作家さんは三浦しをんさんだそうで、今まで「へえ、ふうん」という感じに捉えていたのですが、本作を読んで納得。というか、なるほどこれ読んだら好き!ってなるのもわからんでもないなあ、と。


どんなお話かというと、


こんなお話。


読了ツイート、我ながらいつもいい感じに魅力がまとまっているなと思います笑


この作品、読めばわかるのですが、短編なだけあって、動きがすごい。展開のね。
特に一つ目の短編『シンプリーヘブン』というお話はもう、1ページ目から「おお」となる展開だし、どの作品も驚くような、というより変なことが起こります。
そんなことあっていいんかい、というような作品だったり、へえなかなか妙なこというじゃん、というような作品だったり。


だから、普段読書しない人にも薦めたい一冊だったりします。
もしわたしが今後、「あまり本を読まないのだけど読みやすいしっかりした小説はないか」と訊かれたら、この作品を挙げようかなと思います。
短編集だから読みやすいし。


しかし、展開の力に頼り切らないのが作家三浦しをんの力です!


普段まあまあネット小説も読む葉加瀬、やっぱプロですわあ(当然)となってしまう。
素人の書くものって、わたし含め、奇想天外な展開があればそれに頼って文学的表現を蔑ろにしがちなんですよ、見てる限り、たぶん。
もちろんそうじゃない方もたくさんいますよ!
そういう方は自信もってください、こんなショボい書評ブロガーに言われてもって感じだとは思いますが。


どうすごいかって、表現力に乏しいわたしが一言で表せば、綺麗な表現がこれでもかってくらい素敵。
人間って、ほら、醜いじゃあないですか。
そんな醜さでさえも綺麗に表現するのが、うまい。
おかげでどの登場人物も魅力的な人物として描かれています。
犯罪者紛いなことをしている人物でさえも「いい奴」として描けてしまう。


そんなところが、好き。


魅力的な木暮荘にまつわる人物たちの十人十色な物語集である一冊でした。

木暮荘物語 (祥伝社文庫)


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