ちとはかブログ

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子供の心の五寸針

こんばんは、久しぶりの読了ブログ。

本日読み終えたのは、加納朋子さんの『てるてるあした』。


てるてるあした【電子書籍】[ 加納朋子 ]


てるてるあした (幻冬舎文庫)

いやあ、良作すぎた。

ブログタイトルはこの本の気に入ったフレーズから。

気になった方はぜひ読んでみてください。

触れてしまうと何かが壊れそうなので、あえて触れません。

久しぶりに本で泣いてしまった。

その感動が冷めないうちに、ブログ記事にしたいと思います。

この本を手に取った経緯は過去記事にあります。
こちら→
chitohaka.hatenablog.com



早速ネタバレを最小限に抑えたレビューをしていきたいと思います。

ざっくりとした感想はこちら。


これは「心が狭くて利己的でコンプレックスの塊で感情的でややこしい人間」(加納朋子てるてるあした』本文より)の主人公照代の物語。

これが、ほんとにこの通り。

そんな照代が、不思議なことの起こる街「ささら」で少しずつ成長していく。

ぶっちゃけ、初期の照代を見ていると「なんだこの自分勝手で小生意気な子供は」と腹が立ってくるレベル。

この内面の描き方の上手さが、本当にすごい。リアル。

照代の一家は借金を理由に夜逃げします。

その時、諸事情で照代はひとりで遠い親戚らしい久代のいる「ささら」という町に飛ばされます。

なんて親だ。

この久代さんの人柄は前作『ささら さや』で描かれています。

てるてるあした』単体で読んでも十分に楽しめますが、前作を読んでいると楽しさ倍増かと。

まあ久代さんと利己的な照代は予想通り最初はうまくいかない。

というかこんな照代とうまくやっていける人いるのかよって感じ。

それが、『ささら さや』で登場したサヤをはじめとするあったかすぎる人物との関わりを通じて変化していく......そんな感動物語。

しかしこれがただほっこりした物語じゃない。

不思議なことが起きるのです。

これが、少し怖かったり。いや、少しですよ。

精神年齢5歳の葉加瀬が怖いと言ってるだけです笑

そして、その不思議なことの謎も最後には解ける。

これがなかなかハートフル。

血のつながった家族の愛情と血のつながっていない「家族」の愛情、どちらも見事に描かれています。

そしてハラハラの展開。感動のエピローグ。

もうね、涙腺が。ガチ泣きですよ。まじで。

綺麗で不思議であったかい、そんなお話。

こころを浄化したいときにおすすめの一冊。

とりあえず、恋人に読ませることは決定いたしました笑

この次は『はるひのの、はる』再読します!

なんで最終巻から読んでしまったんだろう......。

ささらさや (幻冬舎文庫)
てるてるあした (幻冬舎文庫)
はるひのの、はる (幻冬舎文庫)

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