こわい夢
こんばんは。
本日読了いたしましたのは、宣言通り加納朋子さんの『はるひのの、はる』。
こちらです。
はるひのの、はる (幻冬舎文庫) [ 加納朋子 ]
はるひのの、はる (幻冬舎文庫)
「ささら」シリーズ最終巻。
なだけあって、感動度合いもやばい。
「ささら」シリーズ前作についての過去記事はこちら。
『ささら さや』
chitohaka.hatenablog.com
『てるてるあした』
chitohaka.hatenablog.com
過去記事読むのだるいっていう読者様のために、ざっくり伝えるならば、
ささらは不思議なことが当たり前のように起こる町です。
不思議なこと、幽霊が出るとか、ね。
でも、温かい町でもあるのです。
これは、前の二作を読めばこれでもかってくらいわかります。
今回はぞっとするくらい不思議でドン引きするくらい温かい物語です。
こんな感じ。
加納朋子『はるひのの、はる』読了。「ささら」シリーズ最終巻なだけあって不思議さも優しさも爆発。『ささら さや』では赤ちゃんだったユウスケの物語。最後にこれを読むととんでもなく感慨深い。とびきりの感動をありがとうございました。#ちとはか書評
— 葉加瀬ちとせ (@chitohaka) 2019年1月13日
今回のブログでわたしが伝えたいのはなにより、再読の楽しさ。
前に読んだのは数年前なのですが、前々から言っている通り、この作品だけ読んだのです。
その時の感想は「不気味な綺麗さのある作品だなあ」というもの。
ブログタイトルの「こわい夢」という文中に出てくるのですが、わたしのこの本に対して抱いたイメージです。
ほんとに、これ。
再読してみて、あながちずれていないんですが、「不気味なくらいの人間臭さが心地よい作品だなあ」という感じです。
前に読んだときはたしか、うつの真っ只中だったんです。
気分が沈むと、涙が出るのをごまかすためになんとなく本を読むのがわたしなのですが、その時にぼんやり読んでいたのがこの作品。
案の定、内容全然覚えてない笑
それに大事なもの、人間らしさだったりぬくもりだったりを読み落としていました。
この作品の大事なところです。
それを読み落とすとは、どれだけぼんやりしていたんだ、わたし。
このお話を動かすのは「はるひ」という不思議な少女。
彼女がユウスケの前に現れて、この物語は始まります。
これがね、よく言えば不思議、悪く言えば不気味。
だってよくわからないんだもん......。
でも決して悪い人たちじゃないことがわかるから安心感。
語り口がユーモラスなのもポイント高い。
幽霊、死人、そんな言葉がたくさん出てくるのに恐怖に包まれはしない、そんなところが好きな一作。
最初から最後まで愛情に包まれた、幽霊の見えるユウスケと不思議な少女はるひの物語。
はるひは何者なのかというところに注目してみても楽しいかも。
いい本には二種類あって。
みんなに読んでほしいものと、わたし一人だけで楽しみたいもの。
この本は完全に前者。この感動をいろんな人に味わってほしい感じ。
というわけでこの「ささら」シリーズ三作は恋人行きです笑
言い忘れていましたが、この作品だけ読んでも十分に楽しめます!
全部読んでも単体で読んでも、楽しい良シリーズでした!
また再読したいなあ。
ささら さや
てるてるあした (幻冬舎文庫)
はるひのの、はる (幻冬舎文庫)
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